アナフィラキシーの重症度を適切に判定し、アドレナリン(エピネフリン)の投与タイミングと方法を正確に判断する実践的な薬剤師向けクイズです。2022年ガイドライン準拠。
クイズの内容に問題がある場合や、改善のご提案がございましたら、お気軽にお知らせください。
📧 内容についてお問い合わせ症例:20歳女性、体重55kg。食後30分で蕁麻疹、顔面浮腫、軽度の呼吸困難を呈し救急搬送。来院時、血圧110/70mmHg、脈拍100回/分、SpO2 94%(room air)、全身に蕁麻疹、眼瞼・口唇浮腫、軽度の喘鳴を認める。
日本アレルギー学会ガイドライン2022に基づく本症例への対応として最も適切なのはどれか。
アドレナリンは非選択的α・β受容体アゴニストとして多面的な薬理作用を発揮:
受容体 | 作用部位 | 薬理作用 | 臨床効果 |
---|---|---|---|
α1 | 血管平滑筋 | 血管収縮 | 血圧上昇、末梢血管抵抗増加 |
β1 | 心筋 | 陽性変力・変時作用 | 心拍出量増加、心拍数増加 |
β2 | 気管支平滑筋 | 気管支拡張 | 呼吸困難改善、喘鳴軽減 |
β2 | 肥満細胞 | 脱顆粒抑制 | ヒスタミン等放出抑制 |
対象 | 体重 | 用量 | 投与経路 | 製剤 |
---|---|---|---|---|
小児 | 10-15kg | 0.15mg | 筋肉内注射 | エピペン0.15mg |
小児 | 15-30kg | 0.15mg | 筋肉内注射 | エピペン0.15mg |
小児・成人 | 30kg以上 | 0.3mg | 筋肉内注射 | エピペン0.3mg |
成人 | - | 0.3-0.5mg | 筋肉内注射 | ボスミン等で調整 |
アナフィラキシーショックなど生命に危険が及ぶ場合は、上記禁忌があっても投与を考慮する(添付文書記載)
頻度 | 症状 | 機序 | 対処法 |
---|---|---|---|
高頻度 | 動悸、頻脈、血圧上昇、振戦 | β1・α1刺激 | 時間経過で軽快、重篤時は対症療法 |
中等頻度 | 頭痛、めまい、不安感、発汗 | 中枢神経刺激 | 安静、必要時鎮静薬 |
低頻度 | 悪心・嘔吐、熱感、顔面蒼白 | 自律神経刺激 | 対症療法 |
まれ | 肺水腫、脳出血 | 急激な血圧上昇 | 降圧療法、集中治療 |
薬剤 | 相互作用 | 機序 | 臨床的影響 |
---|---|---|---|
β遮断薬 | 昇圧作用増強 | α作用の相対的増強 | 重篤な高血圧、徐脈 |
三環系抗うつ薬 | 不整脈増強 | ナトリウムチャネル阻害 | 致死性不整脈 |
MAO阻害薬 | 昇圧作用増強 | ノルアドレナリン分解阻害 | 高血圧クリーゼ |
ハロタン | 不整脈増強 | 心筋感受性増加 | 心室性不整脈 |
ジギタリス | 不整脈増強 | 相加的な心筋刺激 | 房室ブロック、VT |
2022年抗菌薬TDM臨床実践ガイドラインで大幅改訂されたバンコマイシンのTDM指標について、トラフ値からAUCベースへの変更点と臨床での実践ポイントを問うクイズです。
アミオダロンの重篤な副作用、薬物相互作用、モニタリング要点について、最新のPMDA安全性情報を基に作成された臨床実務クイズです。
高齢者におけるベンゾジアゼピン系薬物の転倒リスクと認知機能への影響について、2024年の最新ガイドラインとBeers基準を踏まえた薬剤師の実践判断を問うクイズです。
※ 重要な注意事項
本クイズは教育目的で作成されています。実際の診療・調剤には必ず最新の添付文書をご確認ください。
最終確認日:2025/6/11