類天疱瘡に対するニコチン酸アミドの適応外使用について、通常用量を超える処方への対応を問う上級レベルのクイズです。疑義照会の必要性、相互作用、モニタリングポイントを理解しましょう。
クイズの内容に問題がある場合や、改善のご提案がございましたら、お気軽にお知らせください。
📧 内容についてお問い合わせ82歳男性。1週間前に皮膚科で類天疱瘡と診断された。全身に緊満性水疱が多発しており、Nikolsky現象は陰性。血清抗BP180抗体が陽性であった。
既往歴:2型糖尿病(HbA1c 7.2%)、高血圧症、脂質異常症
現在の処方:
・シタグリプチン50mg 1錠 朝食後
・アムロジピン5mg 1錠 朝食後
・ロスバスタチン2.5mg 1錠 夕食後
本日、以下の処方が追加された:
Rp) ニコチン酸アミド散 10%
1回 500mg(5g) 1日3回 毎食後 14日分
ミノサイクリン塩酸塩錠 100mg
1回 1錠 1日2回 朝夕食後 14日分
この処方を受けた際の薬剤師として最も適切な対応はどれか?
※適応外使用は、十分な説明と同意のもとで行われます。
ニコチン酸アミド(ナイアシンアミド)は、体内でNAD+/NADHおよびNADP+/NADPHの前駆体として働き、500種類以上の酵素反応に関与します。
テトラサイクリン系抗生物質は、MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)を阻害し、基底膜の破壊を防ぎます。ニコチン酸アミドの抗炎症作用と組み合わせることで、相乗的な治療効果が得られます。
ニコチン酸アミドとして、通常成人1日25〜200mgを経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
投与法 | 用量 | 投与回数 | 備考 |
---|---|---|---|
初期投与 | 500mg/回 | 1日3回(毎食後) | 計1,500mg/日 |
増量時 | 500-750mg/回 | 1日3回 | 最大2,000mg/日 |
維持量 | 効果を見ながら減量 | 1日2-3回 | 最少有効量で維持 |
ニコチン酸アミドには、添付文書上の禁忌事項はありません。
頻度 | 副作用 | 対処法 |
---|---|---|
5%以上 | 顔面紅潮(フラッシング) | 段階的増量、食後投与 |
1-5% | 悪心、食欲不振 | 制吐剤併用、分割投与 |
1%未満 | 下痢、頭痛、めまい | 対症療法 |
頻度不明 | 肝機能異常(高用量時) | 定期検査、減量・中止 |
頻度 | 副作用 | 対処法 |
---|---|---|
5%以上 | めまい、ふらつき | 就寝前投与を避ける |
0.1-5% | 食欲不振、悪心 | 食後投与の徹底 |
長期投与 | 色素沈着(皮膚、歯肉、爪) | 投与期間の短縮 |
まれ | 薬剤性ループス様症候群 | 直ちに中止 |
臨床的に重要な相互作用は報告されていません。
併用薬 | 相互作用 | 対処法 |
---|---|---|
制酸剤 | キレート形成により吸収低下 | 2時間以上間隔をあける |
鉄剤 | キレート形成により吸収低下 | 2時間以上間隔をあける |
カルシウム剤 | キレート形成により吸収低下 | 2時間以上間隔をあける |
ワルファリン | 抗凝固作用増強 | PT-INRモニタリング |
ジゴキシン | 血中濃度上昇の可能性 | ジゴキシン濃度確認 |
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※ 重要な注意事項
本クイズは教育目的で作成されています。実際の診療・調剤には必ず最新の添付文書をご確認ください。
最終確認日:2025/1/30