第一世代セフェム系抗菌薬セファゾリンの周術期予防投与において、新人薬剤師が必ず知っておくべき再投与のタイミングについて学習する基礎的なクイズです。
クイズの内容に問題がある場合や、改善のご提案がございましたら、お気軽にお知らせください。
📧 内容についてお問い合わせ65歳女性が胃切除術を受けることになり、手術部位感染(SSI)予防のためセファゾリン1gが執刀前に投与された。手術開始から3時間が経過し、まだ手術が続いている。
この患者において、セファゾリンの再投与を考慮すべき理由として最も適切なものはどれか。
清潔手術・準清潔手術における手術部位感染予防。特に以下の手術で推奨:
適応菌種:本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、大腸菌、肺炎桿菌、プロテウス・ミラビリス、プロビデンシア属
適応症:敗血症、感染性心内膜炎、表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、胆嚢炎、胆管炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎など
セファゾリンは細菌の細胞壁合成を阻害することにより抗菌作用を示します。具体的には:
第一世代セフェム系の特徴として:
この抗菌スペクトラムが、皮膚常在菌による手術部位感染予防に適している理由です。
成人:
小児:
クレアチニンクリアランス | 投与量・間隔 |
---|---|
50mL/分以上 | 通常量 |
10-50mL/分 | 通常量の1/2または投与間隔を2倍 |
10mL/分未満 | 通常量の1/4または投与間隔を4倍 |
ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(交叉アレルギーの可能性:約5-10%)
分類 | 症状 |
---|---|
過敏症 | 発疹、蕁麻疹、そう痒、発熱 |
血液 | 好酸球増多、血小板減少 |
肝臓 | AST、ALT、Al-P上昇 |
消化器 | 悪心、嘔吐、下痢 |
その他 | 血管痛、静脈炎 |
周術期は他の薬剤も併用されることが多く、相互作用や副作用の発現に注意が必要です。特に腎毒性のある薬剤(アミノグリコシド系、ループ利尿薬等)との併用時は腎機能のモニタリングが重要です。
薬剤名 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
---|---|---|
ループ利尿薬(フロセミド等) | 腎障害が増強されるおそれがある | 両剤の腎毒性が相加的に作用 |
アミノグリコシド系抗生物質 | 腎障害、聴覚障害が増強されるおそれがある | 両剤の腎毒性、聴器毒性が相加的に作用 |
ワルファリン | ワルファリンの作用が増強されるおそれがある | 腸内細菌によるビタミンK産生抑制 |
以下の薬剤とは配合変化を起こすため、混注を避ける:
アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の先駆けであるロサルタンについて、活性代謝物への変換、CYP2C9遺伝子多型の影響、尿酸低下作用を踏まえた複雑な症例での薬物選択と投与設計を問う上級レベルのクイズです。
プロトンポンプ阻害薬(PPI)の中でも特徴的な代謝経路を持つラベプラゾールについて、基本的な薬物動態から服薬指導のポイントまで、臨床で必要な実践的知識を問うクイズです。
非結核性抗酸菌症(MAC症)治療におけるクラリスロマイシンの投与法、耐性問題、多剤併用療法について、実臨床で必要となる専門知識を問う上級者向けクイズです。
※ 重要な注意事項
本クイズは教育目的で作成されています。実際の診療・調剤には必ず最新の添付文書をご確認ください。
最終確認日:2025/1/18